きみのもしもし #691
「時とともに愛する人を見つめることを忘れてはいないか?」 朝、テレビを観ていたら、画面の向こうからそう問いかけられた。 忘れてはいない。 それがきみであれ、お袋であれ、 忘れてはいない。 夕方、川沿いをジョギングしていると、 ひと組のカップルが手を繋いで歩いていた。 忘れてはいないけど、久しくお袋をハグしていない。 以前ハグした時の照れた、でもうれしそうな顔を思い出した。 ーもしもし、もう少しの辛抱だよ。 夜、きみは淹れたての珈琲をぼくに差し出してくれた。
talk to myself
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