きみのもしもし #695
またスニーカーを買ってしまった。 帰宅して靴箱を開けて、はたと困った。 このスニーカーを入れるスペースがない。 さてとどの靴を断捨離しようか。 一年間使わなかった真新しい靴を整理するか、 長年使い古した靴を整理するか。 それぞれに懐かしい思い出が蘇り、 靴箱に収まっている靴を前に、ぼくの動きは止まる。 「もしもし、これ何?」 包装紙に包まれたスニーカーを指差し、きみが笑っている。 「どこに収めるのかな」 ぼくは腕を組み、頭を振る。 「わたしのエリアまで侵食しないでね」 きみはいたずらっぽく笑ってる。
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