きみのもしもし #703
ーピアノがね、 小雨混じりの朝、きみがチャットを入れてくる。 ー上手く弾けないの。 この湿度と低気圧のせいではないかと、ふと思う。 でも、 上手く弾く必要はないんじゃないかな、とも思う。 きみにとって気持ちのいい音がひとつでも出せれば、 それでいいんじゃないのかな。 その音がきみを優しく包み込み、 その音が気持ちのいい別の音を連れてくる。 ーもしもし。その音はあなたにとっても気持ちのいい音になるのかな。 きっとそうだと思うよ。 きみにとって気持ちのいい音、 ぼくにとって気持ちのいい音。 きみのピアノが聴きたくなった。
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