Archive for 1月 2022
きみのもしもし #737
明け方に夢を見た。 宝くじが当たる夢。 明け方の夢は当たると聞いたことがある。 今日の仕事が予定より早く終わったので、 宝くじ売り場に寄った。 今日当たった夢だから、今日結果が出るくじに違いない。 そこでスクラッチくじを買うことにした。 「もしもし。過程はいいから結果を教えて」 きみが笑っている。 ぼくは苦笑い。 夢で見たのはスクラッチくじではなかったようだ。 せっかくのチャンスを逃してしまった。 きみはますます笑っている。
きみのもしもし #736
そう言えば、飛行機の中は格好の読書の空間だったし時間だった。 実家に帰るときの飛行機もそうだし、パリに行くときもそうだった。 飛行機だけではない、通勤電車も読書の空間であり時間だった。 ー最近本読んでないでしょっ。 と、きみに見透かされた。 読みたいと思う本はすぐに買う。 実際の本もそうだけど、電子版でそこそこの冊数を持ち歩く。 なのに読書は進んでいない。 ーもしもし。読書は楽しいよ。 そう言ってきみは自分が読み終わった本をぼくに手渡す。 ますます読む本が増えていく。 早く旅行に行きたいなぁ。 きみはくすくすと笑っている。
きみのもしもし #735
またパッサージュ巡りをしたくなった。 写真の整理をしていたら、とてもとてもそう思った。 どこのパッサージュだったっけ、 夕方になって入口の鍵が閉まっていたら 住んでる人が手招きして入れてくれた。 ー出るのに鍵は要らないからね。 そんなことを言われたのを覚えている。 「もしもし」 きみはあの時のガイド本を取り出し、 「またここ行きたいね」 印を付けた付箋のページを開いてみせた。
きみのもしもし #734
「困ったな」と思ったときは、きみから以前言われたことを思い出す。 ーゆっくりていねいにね。 きみは笑っていた。 ーそうすれば、やれないことはないよ。 そうだね、そのとおりだね。 何回この言葉に力をもらったことだろう。 「もしもし、わたしそんなこと言った?」 きみは照れくさそうに笑っている。 きみじゃなければ、誰なんだろうね。 困ったときこそゆっくりていねいに。 ぼくはいつもきみに助けられている。
きみのもしもし #733
「やっていい? ありがとう。ごめんなさい」 大切なみっつの言葉。 きみと話をするときの大事なキーワード。 きみとだけではなく、誰と話すときでも。 きみはにこにこしてる。 ーもしもし、人としての基本だよね。 きみは事もなげに頷いている。 でもね、ぼくはたまに忘れちゃうんだよ。 そんなぼくに、 ー忘れちゃったって気づくんでしょ。 きみはこにこにしてる。