Archive for 6月 2022
きみのもしもし #758
きみにひげとしっぽをくっつける。 そんなことを考えてみた。 するときみは猫になる。 それとも、 ひげとしっぽをとった猫がここにいるのか。 どちらにしろ、きみは猫ということになる。 「もしもし、何考えてるの?」 ちょっといい事を考えてるんだ。 「ほんとかなぁ」 きみの口の周りにビールの泡がついている。 今日は何となく良い日だね。 ぼくもビールを口にする。
きみのもしもし #757
「身体を大切にしてね」 きみが囁くように口にする。 自分を大切にするための一歩なんだろうね。 今を生きるためにも、 チャレンジすることは楽しいことだって、 人間って何でもできるんだよって、 そのためにもまずは、 「もしもし、身体を大切にしてね」 そうだね、きっとその通りだね。
きみのもしもし #756
ずっとずっと以前にきみに聞かれた。 ー好きな道はありますか? 連山を右手に見ながら走る田舎道。信号なんてほとんどない。 あの道が好きなのには変わりない。 でもこの週末きみと初夏の避暑地を走っていて、ふと思った。 きみと走ればどの道も好きかも。 「もしもし、なにをニコニコしているの?」 信号待ちで、きみがぼくに聞いてくる。 「この先で車止めて、少し散歩しない?」 ぼくはにっこり頷いて、 きみもにっこり頷いた。
きみのもしもし #755
ーみんながどうしてるかって考えるのはやめましょう。 突然きみが宣言する。 ーそれはきっと安心なだけでしょ。 そうかも知れない。 ーもしもし、自分が含まれていないみんなになってるよ。 痛いところを突かれたな。 ありがとう。 ぼくは最初からもう一度考えてみることにした。