風、空、きみ

talk to myself

Archive for 11月 2022

きみのもしもし #780

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 きみからデートに誘われた。
「イルミネーションを観に行こうっ」
 目指したのは古くからのお寺。
 イルミネーションの最終日とあって、
 老若男女、家族連れ、カップル、
 初詣さながら参道にはたくさんの人がいる。
 この時期、日没は早く、
 イルミネーションは存分に楽しめる。
「もしもし、ちゃんとお参りも忘れずに」
 帰り際、観音様のいる本堂へと
 きみはぼくの手をとった。
 

Written by ken1

2022/11/28 at 08:25

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #779

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 絵本を読んで、ときみが言う。
 なんとなく懐かしい響き。
 きみはそそくさと毛布をもってソファに横になる。
 そして、うふふと笑ってる。
「もしもし、あなたはどの絵本が好き?」
 ぼくを探しに
「わたしは、これ」
 手渡されたのは、
 きみのことが だいすき
 きみはうふふと笑ってる。

Written by ken1

2022/11/20 at 19:50

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #778

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 きみと並んで部屋の窓から外を眺める。
 今日も小春日和だ。
 鳥が左から右へ視界を横切っていく。
 きみはそれを目で追っている。
 窓を開けようか。
 きみが頷く。
ーもしもし。スマホの画面見てるより楽しいね。
 ぼくも頷いて、
 二人して朝の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

Written by ken1

2022/11/13 at 21:43

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #777

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 きみが悟りを開いたような目をしている。
 たまにそんなときがある、気がする。
「もしもし、期待というのはね」
 と一息入れる。
 何だろう。
「自分自身に対してもつものだよ」
 えっ。
「期待は他人にするものじゃないよ」
 そうだね、自分がやればいいんだものね。
「そう。だから今夜の夕ご飯は自分で作ってね」
 今日もまたきみから一つの教えを授かった。

Written by ken1

2022/11/06 at 18:33

カテゴリー: 未分類

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