Archive for 12月 2022
きみのもしもし #784
目に入るものは好きなもので埋めていきたい。 クリスマスに部屋の整理を始めた。 毎年そうだけど、来週の今日はもう新しい年になる。 ただ今年はカレンダーが被る事はない。 6年ぶりかな。その次はいつだろう。 うまく計算できないけれど、 でも何となく今年は区切りがいい。 そう思って手をつけ始めた。 そして整理すると言うよりも、 好きなもので埋めたいな、と思った。 ーもしもし、それって大事。 きみがきみ自身を指さしてニコニコしている。
きみのもしもし #783
ー深呼吸は大事だよ。 きみは両手を大きく空に突き上げた。 境内は大きな木に守られ、マイナスイオンに満ちている。 ー朝の空気を体全体に吸い込もうよ。 そして深呼吸を始めた。ゆっくりと3回。 ーもしもし、あなたもやって。 プラスイオンに囲まれて日々を過ごしているぼくら。 そうだね、ここでの深呼吸はいいかもね。 ぼくはきみと同じように、 ゆっくりと両手を空に突き上げた。
きみのもしもし #782
コンサートが終わった。
おそらくぼくらの今年最後のコンサート。
年越し分は外れちゃったね。
きみは楽しそうな目をして首を横に振る。
余韻に浸っているようだ。
そして、
「もしもし、お互い元気に頑張りましょうっ」
きみがコンサートのキャッチコピーを大きな声で口にした。
きみのもしもし #781
「あなたは運がいい人なの?」 そうだね、きっと運はいいと思う。 「それ重要」 きみはにこにこ笑ってる。 「運がいいと思っていると、運は良くなるのよ」 そんなものなの? 「そう、そんなものなの」 ますますにこにこ笑ってる。 「もしもし。信じていいよ」