Archive for the ‘未分類’ Category
きみのもしもし #804
これから夜が始めるね。
太陽が山の向こうに沈もうとしている。
ー今は昼と夜の間の時間だね。
ーこの時間、わたし大好きっ。
その言葉になぜかドキッとするぼく。
ーもしもし、顔赤いよ。
きみはうふふと笑ってる。
きみのもしもし #790
急遽飛行機に乗った。
前日の夕方まではそんな予定はなかったのに。
飛行機はぼくを故郷に連れて行った。
-もしもし、どう?
うん、ふだんと変わらない。
-よかったね。
よかった。
ぼくは少しだけ安心して、今日また飛行機に乗った。
初めての一泊2日の往復。
機内でぼくはいつしか眠りに落ちていた。
きみのもしもし #782
コンサートが終わった。
おそらくぼくらの今年最後のコンサート。
年越し分は外れちゃったね。
きみは楽しそうな目をして首を横に振る。
余韻に浸っているようだ。
そして、
「もしもし、お互い元気に頑張りましょうっ」
きみがコンサートのキャッチコピーを大きな声で口にした。
きみのもしもし #777
きみが悟りを開いたような目をしている。 たまにそんなときがある、気がする。 「もしもし、期待というのはね」 と一息入れる。 何だろう。 「自分自身に対してもつものだよ」 えっ。 「期待は他人にするものじゃないよ」 そうだね、自分がやればいいんだものね。 「そう。だから今夜の夕ご飯は自分で作ってね」 今日もまたきみから一つの教えを授かった。
きみのもしもし #739
きみからのプレゼントが机の上に置いてある。
いつの間にかに置いてある。
いつ置いたのだろう。
そっと蓋を開け、ひとつを頬張る。
美味しいな。
ーもしもし。むしゃむしゃ食べないでね。
そんな声が聞こえた気がした。
大丈夫、今年は心得ていますよ。