風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #801

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 これでもかと言うほど、食べた。
 お酒の量も嗜むよりは少しだけ多かったけど、ほろ酔いよりはいい感じに酔えた。
 また、来よう。
 今度は注文する量は少しだけ少なめにね。
ーもしもし。
 きみが上目遣いに笑ってる。
ーいい時間だったね。
 そうだね。
 いつもよりきっと饒舌になっていたぼく。
 とてもいい時間だったんだと思う。

Written by ken1

2023/04/23 at 19:32

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #800

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「珈琲一杯の時間は大切なのよ」
 きみはゆっくりと珈琲を口にする。
 そして窓越しに見える青空に目をやる。
 ぼくも珈琲を口にし、青空との境の窓を開ける。
「慌ただしさを忘れるね」
 そしてきみはまた珈琲を口にする。
「もしもし、お代わりしてもいいかしら」
 うん。
 ぼくはキッチンに向かい、コーヒーミルで豆を挽く。

Written by ken1

2023/04/16 at 18:45

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #799

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 ぼくの手紙はまだ届かないかな。
 きみからの返信は大きなクエスチョンマーク。
 便箋に万年筆で手紙を書いて、切手を貼って、投函したんだ。
 今度は少し不思議なクエスチョンマークのスタンプが届いた。
ーそれって恋文?
 ラブレターと書かないところがきみらしい。
ーもしもし、ちょっと待っててね。郵便受けを見てくるからね。
 ぼくまでちょっとドキドキしてきた。

Written by ken1

2023/04/09 at 19:31

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #798

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 ぼくが出不精なこと、きみはよく知っている。
ーひとの時間って無限じゃないし、
ー面倒だなぁなんて思ってる暇はないよ。
ー外に出るとね、偶然がやってくるの。
 もしもし、だからね、だからね、と
 きみが笑いながらせっついてくる。
ー偶然を楽しまなくっちゃ。
 出不精なぼくをきみが動かす。

Written by ken1

2023/04/02 at 18:27

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #797

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 桜を見に行こうと、きみをドライブに誘った。
 春爛漫になってきたし。
 途中、カーラジオからスローバラードが流れ始めた。
 ねぇ駐車場でお昼寝したら同じ夢が見れるかな。
 スローバラードの歌詞に合わせてきみに聞いてみた。
 窓硝子からの陽射しに包まれているきみは、
ーいつでも同じ夢を見ているよ。
 そして唇だけで「もっしもし」と笑った。

Written by ken1

2023/03/26 at 18:54

カテゴリー: kiss

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